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【短期連載】MTRLメンバーが選ぶオススメ書籍紹介vol.1(古参ディレクター編)

【短期連載】MTRLメンバーが選ぶオススメ書籍紹介vol.1

人文社会学、デザイン、芸術、メディアデザイン、建築など…材料基軸のプロジェクトデザインを多く手掛けるMTRLのメンバーは、多種多様なバックボーンを持ったメンバーが集っています。
本企画では、MTRLメンバーのこれからのマテリアルを考える上でオススメする書籍を紹介します。それぞれの選ぶ書籍を通してそれぞれのメンバーの考える「マテリアルとは何か?」に迫ります。

記念すべき第1回目に登場するのは、MTRL TOKYOのバイスマネージャー長島、リードディレクターの松本。
美大出身のバックボーンを持つ二人のディレクターが捉えるマテリアルとは?

vol.1登場メンバー

株式会社ロフトワーク, バイスMTRLマネージャー
長島 絵未

武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒。広告制作会社にてディレクターとしてイベントやデジタルコンテンツの制作を担当。ロフトワーク入社後はWebや映像などのデジタルコミュニケーションから空間デザイン、組織改革プロジェクトなど、多岐にわたるプロジェクトを担当。MTRLに所属後は、化学メーカーや素材メーカーをクライアントとしたプロジェクトを推進。サーキュラーエコノミーとサステナブル素材に関わる仕組みのデザインと実践を行なっている。
https://loftwork.com/jp/people/emi_nagashima

株式会社ロフトワーク, MTRL リードディレクター
松本 遼

京都造形芸術大学芸術学部情報デザイン学科卒。在学中からデザイナーとして活動し、2007年にはUNIQLO CREATIVE AWARD 佐藤可士和賞を受賞。卒業後デザイン事務所勤務を経てフリーランスとなり、京都福寿園の広告制作や、10万筆の署名を集めたLet’s Dance署名推進委員会の広報戦略に参画する。
2017年ロフトワーク入社。意匠としてのデザインだけでなく、プロジェクトの上流からより深くクリエイティブプロジェクトに関わることを目指す。

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MTRL バイスマネージャー 長島 絵未


オススメ書籍①

書籍名:3R・低炭素社会検定公式テキスト[第3版]:持続可能な社会をめざして

コメント :
あけましておめでとうございます。ありがたいことに2022年MTRLでは「ものづくりのサステナビリティ」といった大きな流れの中の、川上(かわかみ)〜川下(かわしも)に向き合うような機会をいただきました。
ものを「つくること」「次につなげること」「循環させること」を検討する中で、有識者の方から教えていただいた書籍(テキスト)です。環境問題が生まれた背景や法整備、現状について網羅的にインプットでき、その上でわたしたちがどうアクションを取るべきか、というアイデアや発想を促してくれます。

もちろん網羅的なので自分の体感・肌感を持って挑むためにさらなるフィールドリサーチやインタビューは欠かせませんが、小さな仮説の出発点としてはありがたい存在です。

オススメ書籍②
書籍名:鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST

コメント :
次号以降ではメンバーがデザイン書籍をたくさん紹介してくれるはずなので笑、あえてMTRLでプロジェクトをしているとよく思い返す漫画を選びました。
いまも色褪せることのない約20年前の漫画ですが、この物語の前提にある「等価交換の法則」や「錬金術師」という存在について、よく話したり考えたりすることがあります。

素材がどういう物性を持っているか、素材の構成や割合、デザインを1つ検討するだけで新しい意味や価値を持つことを、この漫画を通じて幼い頃に理解したように思えます。

現代において素材の意味をデザインする「錬金術師」のような存在にMTRLがなれたら、と抽象的ですがそんなことを考えています。(もちろんご存知の通り、ストーリーもむちゃくちゃ面白いです)

 

MTRL リードディレクター 松本 遼


オススメ書籍①

書籍名:The Non-Designer’s Design Books

コメント :
あけましておめでとうございます。

美大くくり、ということで、あまりに有名な本ではありますが、デザイン関係の紹介させてもらおうと思います。
「The Non-Designer’s Design Books」は、デザインの基本知識やデザイナーが無意識に行っている情報整理や見せ方を、その理由とともに解説してくれる本です。
UIデザインや情報設計の基礎を学びたい人に読んでほしいという思いはもちろんあるのですが、経験・知識がある人にとっても面白いんじゃ無いかなと思います。

正直な話をさせてもらうと、デザイナーとしての経験や知識がある人にとっては、知識として目新しい話は無いかなと思います。
ではなぜ経験・知識がある人に薦めたいのか。
それは、自分が無意識に当たり前としていることの理由や、それを人にどう説明するとわかりやすいのか。そういった自分を説明する、自分を見つめ直すためのものとして、有益だと感じるからです。

むしろ、デザイナーに読んでもらいたいと思います。

オススメ書籍②
書籍名:モモ

コメント :
MTRLの人間として、なので製造業や素材系の本を選ぼうかとも考えましたが、一冊は内面的な本を選びたく、「モモ」をおすすめしたいなと思います。

同じミヒャエル・エンデの著作である「はてしない物語」も選び難いくらいに好きなのですが、テーマとして「時間」「働き方」「生き方」を大きなテーマとして掲げている本著の方が、職業人としての書籍紹介に相応しいと思って選びました。

我々は、気を抜くとすぐに「働くために働く」という状態に陥りがちです。
言い換えると「お金のために働く」も近い状態で、なぜお金が必要なのか、なぜ働くのか、何が起こると嬉しくて、何を目指すのか、が働く理由・稼ぐ理由の前にないと日々の生きる意味を見失ってしまいます。つまり灰色の時間を過ごすことになり、時間を増やすために時間を預けるという時間どろぼうの罠にかかってしまいます。
何のために時間があり、自分はどうしたいのか。すぐに時間に追われてしまうタイプではあるので、常にそれを心がけて、無駄だと言われようが、自分の時間を自分の時間として使えるように、“頑張りたい”と思います。

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