PlaX プラックス
ポリ乳酸を進化させた、次世代のバイオマス素材
concept
PlaX(プラックス)は、サトウキビ由来のポリ乳酸(PLA)をベースに、Bioworks独自の分子構造設計技術によって、従来のポリ乳酸が抱えていた物性上の課題を改善した次世代のバイオマス素材です。
石油由来の樹脂成形品や合成繊維に代わる選択肢として、環境負荷の低減だけでなく、抗菌・防臭などの機能性や、ケミカルリサイクルによる循環性など、新たな価値の創出を目指しています。 
開発の背景
ポリ乳酸は、植物由来の原料からつくられるバイオマスプラスチックとして、1990年代から注目されてきました。一方で、耐熱性・耐久性・染色性などに課題があり、石油由来の樹脂成形品や合成繊維に代わる素材として用途を広げるには、さらなる技術開発が必要でした。
Bioworks CTOの寺田は、2005年頃「分子構造をどう設計すれば、ポリ乳酸の新たな可能性を引き出せるのか」というアプローチから研究開発をスタートしました。
その後Bioworksを設立し、ポリマーの分子構造や結晶性などをコントロールすることで、植物由来という特性を活かしつつ、実用素材として求められる物性を引き出す独自の技術を確立しました。
その技術から生まれたのがPlaXです。
製造方法・ポリ乳酸との違い
PlaXの原料となるのは、サトウキビ由来のポリ乳酸です。
ポリ乳酸は、サトウキビの糖を発酵させて乳酸を生成し、乳酸を重合することでつくられます。
Bioworksは、一般的なポリ乳酸の課題である耐熱性・耐久性・染色性などを、Bioworks独自の分子構造設計技術によって改質に成功。現在は繊維から成形品まで、用途に応じた素材開発を進めており、幅広い製品への展開を目指しています。

素材由来の抗菌・防臭性とウェルビーイング
PlaXの特徴のひとつが、素材そのものが持つ抗菌・防臭性です。
特別な加工に頼るのではなく、素材そのものが備えている力。植物から生まれた乳酸が、日々の暮らしに、清潔という安心をもたらします。
従来の合成繊維では、抗菌機能を付与するために後加工や薬剤による機能付与を行うケースがあります。一方、PlaXは素材自体に由来する抗菌性を持つことが特徴です。
PlaXでつくられた繊維の上では、PlaXの原料である乳酸が、汗や部屋干し臭などの悪臭のもととなる菌の繁殖を抑えてくれます。

この機能は、衣類やタオル、キッチン用品など、日常的に肌や生活空間に触れる製品との親和性が高く、単に「環境に配慮した素材」というだけではなく、快適性や衛生性といった、人の暮らしに関わる価値にもつながります。
環境負荷を低減することと、人がより心地よく、健やかに暮らせること。その両方を実現する素材として、PlaXは「サステナビリティ」と「ウェルビーイング」の接点を広げていきます。
繊維リサイクルにおける可能性
PlaXは、循環を考えた素材設計にも取り組んでいます。
- 繊維製品:アパレル衣類やタオル、キッチン用品など
- 産業資材:魚網など
- 成形品:ビールカップ・トルソー・化粧品コンパクトケースなど
素材特性を活かし、用途に応じたグレード開発も進めています。
「石油由来の素材を植物由来に置き換える」という発想にとどまらず、PlaXだからこそ生み出せる機能や製品体験を、さまざまな領域で提案することを目指しています。
繊維リサイクルにおける可能性
PlaXは、循環を考えた素材設計にも取り組んでいます。
現在の衣類には、ポリエステルと綿、ポリエステルとポリウレタンなど、複数の素材を組み合わせた「混紡・複合素材」が多く使われています。これらは、使用後に素材を分離することが難しく、繊維リサイクルにおける大きな課題となっています。
一方でPlaXは、加水分解という特性を活かした、低エネルギーでの素材分離を可能にします。
Bioworksは現在、使用済みのPlaX製品を回収し、素材を分離したうえで原料レベルまで戻し、再びPLAとして利用する「ケミカルリサイクル」の実証実験にも取り組んでいます。
「つくって、使って、捨てる」という一方向のものづくりから、素材を再び資源として循環させるものづくりへ。
PlaXは、植物由来という素材の出発点だけでなく、製品として使われた後の循環までを見据えた素材開発を進めています。
これからのPlaX
PlaXが目指しているのは、単に石油由来素材を植物由来素材に置き換えることではありません。
環境負荷の低減、素材としての機能、使う人の快適性、そして使用後の循環。
これらをひとつの素材の中でつなぎ、素材そのものから新しい製品や暮らしのあり方を生み出していくこと。
Bioworksは、分子構造設計技術を核に、さまざまな企業やクリエイター、研究者との共創を通じて、PlaXの可能性を広げています。
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