• Event Report

「HAPTICS OF WONDER 12触αGEL見本帖」を触覚の国際学会へ出展。

素材の触感体験ツールの制作からその価値検証へ

株式会社タイカ(以下、タイカ)とロフトワーク/MTRLは、2018年10月から2019年2月にかけて、タイカが研究開発を行っているαGELの触感に着目し「触感の新しい評価基準」と「コミュニケーションツール」をデザインするプロジェクトを実施しました。

【事例】αGEL 触感の新しい評価基準とコミュニケーションツールをデザイン
https://mtrl.com/projects/taica/

触覚の研究者やプロダクトデザイナー、グラフィックデザイナーと並走することでビジュアルとして目を引くだけでなく、学術的な背景も踏まえた、素材を通したコミュニケーションを実現するためのツールが完成しました。

本プロジェクトはつくり上げたツールをより多くの方に実際に触れてもらい、その価値を検証・訴求することを目的として始まりました。

実証の場として選んだのはHaptics(触覚技術)の専門家が集まる触覚の国際学会「IEEE World Haptics Conference 2019」(以下、WHC)です。

 

プロジェクト概要

支援内容
◦ 展示内容の策定
◦ グッズ類の作成
◦ Gifアニメーションの制作

プロジェクト期間
◦ 2019年4月〜2019年7月

プロジェクト体制
◦ クライアント:株式会社タイカ http://taica.co.jp/
◦ プロデューサー:小原 和也(弁慶)、井田 幸希
◦ プロジェクトマネジメント:柳原 一也
◦ クリエイティブディレクター:桑原 季
アニメーション制作:浜名 信次(beach inc) http://beach-inc.com/

ポイント
・開発成果を一般的な展示会への出展ではなく世界中から専門家が集まる「国際学会」へ展示
・素材の価値が国内外の来場者に直感的に伝わる情報設計
・来場者とのコミュニケーションを自然と発生させるようなブース設計

▲ブースの広さは2m×2m。出展者と来場者のコミュニケーションをどのように生むかをベースに設計しました

▲「HAPTICS OF WONDER 12触αGEL見本帖」。来場者の方はさまざまなやわらかさを触り比べていました

WHCは世界中の触覚の専門家が一同に会する場です。制作したツール類の価値を一方的に伝えるのではなく、ツールをきっかけに「タイカがつくるαGELが生み出す価値に関して来場者の方と議論が生まれるような場にしたい」という方向性で展示のコンセプトが決まりました。

来場者との議論を通して、研究者の方との共同研究やメーカーの方にαGELを活用してもらうことにつながるような「ビジネス機会創出の場」にすることができるのではないかと考えました。

実際の展示内容に関しては、「Gifアニメーションの作成」と「カプセルトイを活用した議論のきっかけづくり」を中心に設計を行いました。

Outputs

12触のαGELの特徴を表現したGifアニメーションの作成

▲ ゲルサンプルの触感に対応する形で作成されたマップ。
HARD⇔SOFT、STICKY⇔SMOOTHの軸で構成されています。
実際にサンプルをマップの上に配置して、触り分けて活用することが可能です

▲触覚のアニメーションを指差しながら質問する来場者。専門的な数値の話をグラフィカルに表現することで短時間でそれぞれのやわらかさの特性を理解することにつながりました

キット開発のフェーズでは、タイカ内で使われているパラメーターのうち、「アスカーC」「針入度」「反発弾性率」を抑えつつ、これらの触感のイメージをイラスト化。

さらにこの制作した12触αGELのイラストでやわらかさを伝えるためにGIFアニメーションを活用することを決めました。

数値的な評価基準をGIFアニメーションとして表現することで、感性的な価値をわかりやすく伝えることに繋げました。

カプセルトイを活用した議論のきっかけづくり

▲カプセルトイを回した人たちは一様に、カプセルを開けて”おみやGEL”の触り心地を確かめていました

来場者の方との双方向コミュニケーションのための施策として、カプセルトイにαGELのサンプル(”おみやGEL”)とそのやわらかさに対応したイラストのステッカーを封入したものを用意しました。来場者の方がひと通りの展示説明を受けたあと、やわらかさの可能性やアイデアをポストイットにしたため、展示ブースに貼ることで、”おみやGEL”をゲットできるという企画を実施しました。性別、国籍、年代も問わずカプセルトイは大人気。予想していた以上に興味を持ってくださる方が多く、2日間の展示期間で200件以上のアイデアを集めることができました。

▲付箋を貼るために用意した掲示板は国内外の方々のアイデアでいっぱいになりました

プロジェクトのこれから

多くのHapticsの専門家と議論を交わす機会となった本プロジェクト。「HAPTICS OF WONDER 12触αGEL見本帖」を触った来場者の方が国籍も年齢も性別も問わず笑顔を見せながら触り比べている姿が印象的でした。

その様子をみることで、「やわらかさ」には人を思わずポジティブな気持ちにさせる力があることを実感しました。

今後は「HAPTICS OF WONDER 12触αGEL見本帖」を起点として、実際にプロダクトやサービスを生むことにつなげていけたらと思います。
百聞は”一触”にしかず。ぜひ「HAPTICS OF WONDER 12触αGEL見本帖」に実際に触れてやわらかさが持つ可能性を感じてみてください。

Member
プロデューサー:小原 和也、井田 幸希
プロジェクトマネジメント:柳原 一也
クリエイティブディレクター:桑原 季