- Project Report
科学技術振興機構 ムーンショット型研究開発事業 「Project Cybernetic being」ラボ構築プロジェクト
Outline
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の推進する、ムーンショット型研究開発事業。
日本発の破壊的イノベーションの創出を目指し、従来技術の延長にない、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発を推進する制度です。目標の1つである「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」を目指し、複数の研究開発プログラムが実施されています。
その中で、「身体的共創を生み出すサイバネティック・アバター技術と社会基盤の開発※1」を推進するProject Cybernetic beingは、2021年7月、ロボット開発やコンテンツ集積を目指すスマートシティの国家戦略特区となっている東京ポートシティ竹芝に、研究開発拠点となる、Cybernetic Being Labをオープン。ロフトワークは外部パートナーとともに未来に向けた挑戦を行う、空間の内装を支援しました。
※1 人々が自身の能力を最大限に発揮し、多様な人々の多彩な技能や経験を共有できるサイバネティック・アバター技術を開発します。技能や経験を相互に利活用する場合の制度的・倫理的課題を考慮して、人と社会に調和した、身体的な技能や経験を流通する社会基盤を構築します。2050年には、この流通が人と人との新たな身体的共創を生み出し、サイバネティック・アバターを通じて誰もが自在な活動や挑戦を行える社会を実現します。
プロジェクト概要
Outputs
プロジェクト単位でスペースがゆるやかに区切れるよう、空間に格子状に組まれた単管を設置。
単管にはモニターやセンサーなども取り付けられる他、空間と空間とをレースカーテンで緩やかに仕切ることができます。

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来客時にも目に止まりやすい入り口付近に設置することで、プロジェクトルームとは異なった空間の使い方ができます。

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プロジェクトロゴを模したソファとテーブル。
単管から張られたワイヤーにレースカーテンを設置。カーテンの仕切り方を変えることで、プロジェクトや使用用途に合わせて空間のサイズを柔軟に調整することができます。
ラボの壁側面には、単管を活用したおおきな収納スペースを設けました。広い面積を同一規格・同色のコンテナを収納ツールにすることで、空間の統一感を生み出しています。
Member
SPEAKERS
株式会社ロフトワーク, バイスMTRLマネージャー
長島 絵未
武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒。広告制作会社にてディレクターとしてイベントやデジタルコンテンツの制作を担当。ロフトワーク入社後はWebや映像などのデジタルコミュニケーションから空間デザイン、組織改革プロジェクトなど、多岐にわたるプロジェクトを担当。MTRLに所属後は、化学メーカーや素材メーカーをクライアントとしたプロジェクトを推進。サーキュラーエコノミーとサステナブル素材に関わる仕組みのデザインと実践を行なっている。
https://loftwork.com/jp/people/emi_nagashima
株式会社ロフトワーク , Layout Unit ディレクター
高橋 卓
株式会社ロフトワーク, Layout Unit ディレクター
高橋 卓
群馬県前橋市生まれ。東京理科大学大学院修了。卒業後は建築設計事務所に勤務。海外クライアントを主とした建築プロジェクトを担当し、コンセプトメイクから設計監理まで手がける。京都の商業施設やニセコの宿泊施設などのプロジェクトを通して、ローカルとインバウンドが交わる空間デザインに携わる。仲間、空間、世間、時間、4つの間を横断する価値を追求するためロフトワークにジョインし、場づくりにまつわるプロジェクトに取り組む。DETAIL Special Prize、日経ニューオフィス賞 受賞。日曜大工ならぬ日曜建築家として実家改修を進めている。酸っぱいものと居酒屋のカウンター席が好き。
有限会社バッタネイション
岩沢兄弟
「モノ・コト・ヒトのおもしろたのしい関係」を合言葉に、人や組織の活動の足場となる拠点づくりを手掛けています。空間・家具などの立体物設計、デジタル・アナログ両方のツールを活用したコミュニケーション設計が得意。
https://battanation.com/
いわさわひとし(兄)
1974年千葉県生まれ。多摩美術大学建築学科卒業。岩沢兄弟の立体物デザイン担当。空間デザイナー、車輪家具プロデューサー。空間デザインからイノベーション家具、名刺ケースまでなんでもつくる。無類の車輪好き。大学在学中より、一級建築士事務所でアシスタントを経験し、デザイナーとして活動をはじめる。2002年、有限会社バッタネイションを弟とともに設立。東京・日本橋でオルタナティブオフィス「Co-net」を運営しながら、飲食店、物販店、オフィスなどの空間デザインを手掛ける。これまでに、CINRA、DLE、LoftworkCOOOP、AOI DC、FabCafeMTRL などの空間デザインを手掛けた。2011年より、オリジナル家具「車輪家具」シリーズの納車を開始。これまでにメディアジーンや、ロフトワーク、「KOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)」(2015年度GOOD DESIGN受賞)などへ納車。
いわさわたかし(弟)
1978年千葉県生まれ、武蔵野美術大学短期大学部生活デザイン学科卒業。岩沢兄弟のWeb、映像、音響、よろずディレクション担当。趣味は自作楽器の演奏。学⽣時代よりフリーランスとして映像制作、ウェブ制作などを手掛け、2002年有限会社バッタネイションを兄とともに設⽴。テレビ番組連動フラッシュサイトの制作や、番組公式サイトの作成などを⼿がける。現在も数多くの映像中継、制作業務を請け負っている。空間デザイン/家具デザインプロジェクトにおいてはコンセプト設計、ディレクション、音響デザインなどを中心に担当。共著/部分執筆に、『USTREAMビジネス応⽤ハンドブック』『Ustream配信完全ガイド』がある。2016年に茨城県北芸術祭に作品出展。
“未だない世界をつくるプロジェクトにおける、初めての場づくりに携われたことを、心から光栄に、またうれしく思っています。Covid-19流行というかつて無い社会情勢に置かれながらも、Cybernetic beingの世界観を体現するいくつものプロジェクトやサービス、プロダクト、アクティビティがこの「場所」を中心として発信されていきます。わたしたちがサイバネティック・アバターという「もうひとつの身体」を通じて、より豊かな人生を送ることのできる未来社会に思いを馳せながら、引き続きこの場所が生み出していく新しい潮流に関わっていければ幸いです。”
株式会社ロフトワーク MTRL Unit 長島 絵未