• Project Report

製造工程で排出される端材に“第2の人生”を アップサイクルを後押しするサンプルキットを制作

Outline

端材が生まれるストーリーから共感を生みだし、
素材としての魅力と可能性に焦点を当てる

キッチンカウンターの天板材に用いられる「人造大理石」。カウンターの素材として加工する過程で、どうしても排出されてしまう端材の利活用を促すサンプルキットを作成しました。

パナソニック ホールディングス株式会社が主催・運営する「端材活用エコシステム開発プロジェクト」をきっかけに生まれた、本サンプルキット。内蓋には、端材が生まれる背景や素材の特性を、詩的なストーリーでわかりやすく記載。端材を用いたプロダクト開発を検討する次の担い手に、共感とインスピレーションをもたらしています。

廃棄される端材の排出量を減らすには、端材の持続的なアップサイクルによって既存の商流のなかで他の素材と同列に比較・検討されることが重要です。そこで本サンプルキットでは、以下の4つの要件を満たすデザインを追求しました。

  • 定型便で郵送できるサイズで制作すること。
  • 自社での組み立てが容易であり、手軽に持ち運べる大きさ・重量であること。
  • 保管しやすい形状で、手元に置いておきたくなるような、空間になじみやすいデザインであること。
  • 実際に出てしまった端材を活用したサンプルキットであること。

本サンプルキットが多くの方の手に渡ることで、従来とは異なる用途を考案するなど、新たなユーザー開拓を目指します。

Project Summary

  • 端材を使ったサステナブルなプロダクト製作を支援するためのマテリアルサンプルパッケージの作成
  • 「使いたい」と思ってくれる人に届けるための、素材の良さをシンプルに伝えるデザイン
  • 端材を、それが生まれた背景のストーリーとともにパッケージ

執筆:野本 纏花
編集:岩崎 諒子/Loftwork.com編集部
写真:AYA RACOV OMATA

Outputs

Staff Credit

Member

株式会社ロフトワーク, MTRL リードディレクター
松本 遼

京都造形芸術大学芸術学部情報デザイン学科卒。在学中からデザイナーとして活動し、2007年にはUNIQLO CREATIVE AWARD 佐藤可士和賞を受賞。卒業後デザイン事務所勤務を経てフリーランスとなり、京都福寿園の広告制作や、10万筆の署名を集めたLet’s Dance署名推進委員会の広報戦略に参画する。
2017年ロフトワーク入社。意匠としてのデザインだけでなく、プロジェクトの上流からより深くクリエイティブプロジェクトに関わることを目指す。

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株式会社ロフトワーク, MTRL クリエイティブディレクター
片平 圭

武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒。大学ではインスタレーションを表現手法にしたファッションデザインを学ぶ。卒業後、アパレルのコレクションブランドで企画生産管理、店舗運営に従事。その後、素材やものづくりの新たな可能性を探求するためロフトワーク/MTRLに入社。趣味は日光浴。

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