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WASICA Project 山梨県の伝統と未来をつなぐ

Photo by Junya Igarashi

 南に富士山、西には3000m級の山が連なる南アルプス、北には八ヶ岳がそびえるなど、その周囲を山々に囲まれている山梨県。その現場では、近年、野生のニホンジカの増加により林業被害や農業被害等が深刻化しています。こうした中、毎年、約1万頭のニホンジカが駆除されていますが、一方で、その有効活用が課題となっています。
現在では害獣として認識されているニホンジカですが、我々、人間との関係は深く、縄文時代前期には食用として重宝されるなど、私たちの歴史とは切っても切れない関係にあります。

 


Photo by Junya Igarashi

また、山梨県は伝統産業として和紙の生産も盛んです。製紙業者である金長特殊製紙は、常に和紙の新しい可能性を模索し、地方産業の未来をつくるべく日々創造を行っています。

 


Photo by Junya Igarashi

 このような状況の中、アートディレクター/デザイナーである田子學は山梨県に招かれ、地方が抱える伝統産業への不安や農作物等の害獣被害、継承者不足などによる産業全体の衰退といった問題に新しい解決方法を模索すべく「WASICA Project」を発足させました。

和紙産業と鹿狩りを通して見えてきた山の事、命の事、社会の事、高齢化の事、そして、それらを取り巻く多くの問題。今回は、山梨県の現場で日々産業を支える方々もお招きし、田子學氏が取り組んだ素材の活用方法を通したプロジェクトの全容をご紹介し、みなさんで伝統と未来をつなぐ方法について議論します。

【トークイベント】WASICA Project 山梨県の伝統と未来をつなぐ
日時:2016年3月4日(金)19:00-20:30
会場:FabCafe 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目22−7 道玄坂ピア1F
定員:40名
参加費:500円(ワンドリンク付き)
Facebookのイベントページの参加からでもお申し込みいただけます。
https://www.facebook.com/events/1079628652089503/

【展示】WASICA Project 山梨県の伝統と未来をつなぐ
日時:2016年3月4日(金)〜3月11日(金)
会場:FabCafe 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目22−7 道玄坂ピア1F
会期中はFabCafeでWASICA Projectの作品の展示が行われます。
見学は無料ですので、お気軽にお越しください。

 

【登壇者】


田子學(たご・まなぶ)アートディレクター/デザイナー
MTDO Inc.代表取締役社長。慶応義塾大学院SDM研究科特任教授。東京造形大学II類デザインマネジメント卒。株式会社東芝デザインセンターにて多くの家電、情報機器デザイン開発にたずさわる。同社退社後、株式会社リアル・フリートのデザインマネジメント責任者として従事。その後新たな領域の開拓を試みるべく、2008年株式会社エムテドを立ち上げ、現在にいたる。現在は幅広い産業分野において、コンセプトメイキングからプロダクトアウトまでをトータルでデザイン、ディレクション、マネジメントしている。
2015年より京都府与謝野町クリエイティブディレクターに就任。

一瀬浩基(いちのせ・こうき)(金長特殊製紙(株)/専務取締役)
外川正和(とがわ・まさかず)(富士河口湖町 農林課)
滝口雅博(たきぐち・まさひろ)(山梨県ジビエ活用協議会委員)
串田 賢一(くしだ・けんいち)(山梨県工業技術センター デザイン技術部/主任研究員)

【プログラム】
19:00 自己紹介
19:10 WASICA Projectについて
19:25 富士河口湖町 農林課の取り組みについて 外川正和(富士河口湖町 農林課)
19:32 山梨県工業技術センターに取り組みについて 串田賢一(山梨県工業技術センター  デザイン技術部/主任研究員)
19:40 金長特殊製紙の取り組みについて 一瀬浩基(金長特殊製紙(株)/専務取締役)
19:48 シカの捕獲、食肉処理等、鹿活用の現状などについて 滝口雅博氏(山梨県ジビエ活用協議会委員)
19:56 ディスカッション
20:15 質疑など

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