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“街なかをピースにするデザイン” 5アイデアが決定! 「HIROSHIMA DESIGN CHALLENGE 2021」

深澤直人氏、谷尻誠氏、吉田愛氏、柴田隆寛氏による審査のもと、デザインパートナーを選出

ロフトワークが広島県とともに行なっている「HIROSHIMA DESIGN CHALLENGE 2021」は、審査員による厳正なる審査を経て、このたび新たなものづくりに挑戦するデザインパートナーを発表しました。

「HIROSHIMA DESIGN CHALLENGE」は、広島県内の事業者が主体的に「デザイン」を活用し、クリエイターと共同で新たな製品やサービスの開発に挑戦するプロジェクトです。2021年4月12日から5月30日まで「街なかをピースにするデザイン」をテーマに、広島の事業者のお題に対するデザインアイデアを募集し、全国から107名/チーム、154作品が集まりました。

デザイナーの深澤直人氏(審査員長)、建築家の谷尻誠氏と吉田愛氏(SUPPOSE DESIGN OFFICE)、編集者の柴田隆寛氏による審査のもと、4つのアイデアが採択されました。また、広島県及び事務局の推薦として1つのアイデアが開発・実装に進むこととなりました。

HIROSHIMA DESIGN CHALLENGE 結果発表ページ

審査会の風景

写真左より、谷尻誠氏、深澤直人氏、吉田愛氏、柴田隆寛氏。

選出されたデザインアイデア

空きスペースを活用する商業空間のデザイン(事業者:カミハチキテル-HEART OF HIROSHIMA-)

【提案者】 U.K Concept&Design 上松 和磨

【作品名】
生活にピースを

【作品概要】
ビル壁面の未使用スペースを有効活用し新しく”ニギワイのある名所”を作りたい。”生活にピースを”と題し、今迄あった屋外仮設店舗とは異なる、コンパクトでお洒落な移動型お店をつくります。”親しみやすさ”を表現するために木を主に用い、馴染みのある『波型のれん』をモチーフに気軽に立ち寄れる屋台をイメージしました。

【審査員コメント】
柴田 隆寛(編集事務所Kichi

広島の街なかで様々なコトを起こすことができるアイデア。マーケットやブックイベントなど広島のカルチャーをつくっていくひとつのツールになるのではないか。街の活性化を目指した企画に挑戦している事業者とクリエイターが力を合わせて、プロダクトの完成だけでなく、どう街に対して仕掛けていくか。コンテンツを一緒に考えてくれることに期待。

広島を元気にするデジタルサイネージのデザイン (事業者:株式会社スマートコムシティひろしま)

【提案者】ヒロシマ「 」継ぐ展実行委員会 久保田 涼子

【作品名】
オンライン灯ろう流し-灯ろうに込めるメッセージ-

【作品概要】
8月6日にオンラインで届けられた平和への想いを、広島のサイネージに投影する。

【審査員コメント】
柴田 隆寛(編集事務所Kichi)

現代のテクノロジーを用いて広島から「ピース」を発信するという意味で高く評価できるアイデア。コロナ禍であることを考えても、広島市民はもちろん全国から参加者を募れるインタラクティブなムーブメントを作れる可能性がある。どのように人々の興味を喚起し参加してもらうか、サイネージ上でのどう表現するか等について開発・実装期間で企画のブラッシュアップを重ねてほしい。

人が立ち止まりたくなる水辺のデザイン(事業者:株式会社ダイクレ)

【提案者】大田 一朗

【作品名】
woonelf fense(ボンエルフ フェンス)

【作品概要】
woonelf fenseは、直線的な通路に対してわずかな凹凸を設け、自然な滞留を誘うことで人流速度を抑制する。通行する人と滞在する人が共存するデザインを目指した。通行する人は凹凸を緩やかに通り過ぎ、滞在する人は凹凸に滞留して座って過ごしたり、景色を眺めることができる。ボンエルフ(オランダ語: woonerf)とは、生活道路において車道を蛇行させるなどして自動車の速度を下げさせ、歩行者との共存を図ろうとする道路のことである。

【審査員コメント】
谷尻 誠、吉田 愛(SUPPOSE DESIGN OFFICE)

座る、寄り掛かる、掴むといった機能を1つのデザインで実現しようとする姿勢を評価したい。街や建築、プロダクト問わず、さまざまな要求に対してどう最大公約的な解を出せるかが重要である。機能性や安全性については改善の余地があると同時に、街なかに置かれるものであるからには遠くから見たときの印象についても検討を重ねていってほしい。

川を眺める時間のデザイン(事業者:RiverDo! 基町川辺コンソーシアム)

【提案者】米田 浩介

【作品名】
THREE-PIECE CHAIR

【作品概要】
川を眺める時間・気分に寄り添う椅子、THREE-PIECE CHAIRです。くつろぎたいと思ったときに簡単に取り回せること、川に近い視点とすること、足元の草・石・小枝に手が届くことを重視してデザインしました。同形状の3パーツ構成とすることで、持ち運び性、傾斜に対する安定性だけでなく、低コスト、高生産性を実現します。松永の下駄のような、気軽に「つっかけ」的に使える椅子になりたいと思います。

【審査員コメント】
深澤 直人(デザイナー)

プロダクトとしての完成度が高く(アイデアシートによる)プレゼンテーションも優れている。3つの同じピースを組み合わせることでチェアが出来上がるという仕組みや携帯性も高く評価する。実際にプロトタイプを制作し、皆でアイデアシートの彼(シート右上)のように体験してみることでより優れたアイデアにブラッシュアップしていくことができるだろう。

多目的防水ボックスのデザイン (事業者:株式会社ディーネット)

【提案者】iii architects
※こちらのアイデアは事務局の推薦のアイデアです。

【作品名】
DOCK

【作品概要】
従来の防水ボックスは、ボックスを連結するための金具やスポンジ等の突起物によって日常の使われ方が限定されていました。そこで、ボックスを一つ一つ連結させるのではなく、大きなゴムベルトを1周まわすことで緊結します。三日月ユニットは、置く向きや組み合わせによって、あらゆる行為に応じたかたちをつくることができ、円柱ユニットは、エントランスを彩る植木鉢や、網を取り付けて傘立てにすることもできます。災害に備えるという個人の意思が連なることで、ユニットが分散した場が街の風景となり、「小さな公共」と「災害への意識」が広がるピースな街をつくることを目指します。

【事務局コメント】

シンプルな2種類のパーツを組み合わせることで多様な用途を実現できるアイデア。災害時の浸水被害を抑える防水ボックスにデザインが付与されることで、街並みに良い変化が起きたり、人々の防災への関心が高まることに期待。

開発・実装されたプロトタイプは、9月上旬に広島のまちなかに登場予定!

選出されたデザインパートナーは、2021年6月22日(火)・23(水)の2日間にわたり開催される「合同ワークショップ」で、事業者とともに、広島の街なかに実装する新たな製品やサービスのブラッシュアップと計画の具体化を行ない、開発・実装を行います。プロジェクトを通じて生まれた空間や設置物等のプロトタイプ(試作品)は、2021年9月上旬に、広島の人々に初めてお披露目される予定です。

  • ロフトワークについて
    オープンコラボレーションを通じてWeb、コンテンツ、コミュニケーション、空間などをデザインするクリエイティブ・カンパニー。
    グローバルに展開するデジタルものづくりカフェ「FabCafe」、素材と向き合うクリエイティブサービス「MTRL(マテリアル)」、クリエイターとの共創を促進するプラットフォーム「AWRD(アワード)」を運営。世界中のクリエイターコミュニティと共創することで、幅広いクリエイティブサービスを提供します。

株式会社ロフトワーク 広報:pr@loftwork.com

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