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”Life with ARTSTEEL” プロダクトアワード受賞作品発表!
酸化皮膜加工を施すことで高い耐久性を実現し、独自の加工技術によって美しい風合いを実現した鉄、ARTSTEELを活用した暮らしを豊かにするユニークなプロダクトアイデアをご覧ください。
Gold Prize
Title
Paume Lamp
Creator
Christoffer Jevring & Daniele Caldari
Concept
Warm light LED floor and table lamp for home use. May also be suitable for hotels and restaurants. Comes in 4 different models. Different ARTSTEEL finishes may be used for the body yield different expressions.
PAUME LAMP(ポーム・ランプ、以下、PAUMEランプ) は日々の暮らしを、さらにはホテルやレストランなどの 空間を演出する、暖色系LED使用の照明器具。テーブル タイプ、フロアタイプ、合わせて4種類のモデルがあります。 照明のボディ部分に異なる風合いのARTSTEELを使用 することによって、変化に富んだ表情を楽しめます。
Judge’s comment: 玉井 美由紀氏(たまい みゆき)
この照明のアイデアは今回の応募作品の中で素材の特徴であるARTSTEELの美しい表情を最もシンプルに活かした作品であり、素材に無理のないデザインをしていたところが高く評価されました。照明という使い方により昼と夜の表情が変わる点、単純に形を作るだけでなく、ARTSTEELの上下には別のリングを加え、構造とデザインを両立させている点など実際の商品になった時にもスケッチと変わらない魅力と存在感を想像できました。ホテルやレストラン、生活者のくつろぎの空間など、様々な場所に彩りや豊かさを与えるのが楽しみになる作品です。
Judge’s comment: 小田 将輝(おだ まさき)
照明というアイデアが、ARTSTEELの素材の良さを活かせるアイテムだと思いました。シンプルながらデザイン性が高く、目を惹かれました。B to Cだけでなく、会社のオフィスや公共施設といったB to Bの取組もイメージが出来るアイテムと感じました。
Judge’s comment: 柴田 隆寛(しばた たかひろ)
「Paume Lamp」には、“ARTSTEEL”という素材への深い理解を感じたのと、その素材から着想された静謐なフォルム(海外の方が考える“wabi,sabi”)に、同社が考えるB to Cビジネスの未来を照らす、灯台のような象徴性を感じました。また、インテリアとしてだけでなく、エクステリアでの活用も想起させるなど、この照明のある風景が自然と頭に思い浮かんだのも、評価させて頂いたポイントです。
Judge’s comment: 藤井 将之(ふじい まさゆき)
非常にシンプルなデザインながら、支柱を照らす光の濃淡が、アートスチールの奥行きある輝きを引き立たせてくれそうなデザインだと感じました。プレゼンテーションのクオリティが高く、製作方法に関しても細部にわたり気遣いがあり、形はもちろん、そういった繊細さからもどこかwabi-sabi的な印象も受けました。アートスチールは屋外でも使える素材なのですが、私が特に着目したのは、部屋の中だけではなく庭やバルコニー、欲を言えば街中の車止めとしても成り立つようなデザインのような気がします。デザインを見て様々な使用シーンが思い浮かぶ・・・そんな作品でした。
受賞者コメント
It is an honour and a delight to have been selected for this prize! We are happy that we managed to convey the philosophy behind the product, and humbled that the jury acknowledged the underlying values that drive our idea. We look forward to the opportunity to collaborate with Front Ltd, and are excited about the possibility of seeing our design come to life. Our sincere thanks go to the jury and the organisers of the Life with ARTSTEEL AWRD.
今回金賞に選出されたことは、大きな喜びであり、また光栄なことだと感じています!
審査員のみなさまに私たちのアイデアを評価していただいたことを謙虚に受け止めると同時に、作品の背後にある哲学を伝えることができたことを嬉しく思います。
株式会社フロントとのコラボレーションの機会を楽しみにしており、私たちのデザインが実現する可能性に期待しています。 Life with ARTSTEEL AWRDの主催者、審査員、関係者の皆様方に心から感謝します。
Christoffer Jevring & Daniele Caldari
Silver Prize
Title
端材を使用したアクセサリー
Creator
Aohouse
Concept
製品化する上で出てくる端材を使用し、本来商品価値にならない部分に命を吹き込んだ商品です。端材の形状を利用することで、一点物としてだけでなく偶然が生み出した形状が魅力です。
錆びのイメージである冷たさや腐を美意識に転換させたARTSTEELは小さくても存在感があり、ファッションアイテムとしてはとても魅力がある素材だと感じました。
身近に使用しやすいアクセサリーとすることで、より多くの人の目に止まり、ARTSTEELの魅力を知ってもらうことができると考えております。
バッヂやイヤリングやヘアバンドなどに展開をすることで、多様なニーズへ訴求するすることができます。
Judge’s comment: 柴田 隆寛(しばた たかひろ)
鉄とファッション。心理的な距離が遠い両者を近づけることで、街場のモノに。“ARTSTEEL”という素材の魅力を、誰にでも手が届く価格帯の汎用性のあるグッズを通して、カジュアルに発信しようというアイデアが面白いと思いました。グラフィックデザイナーやイラストレーターなど、クリエイターとのコラボレーションも想像できる。審査の途中で、勝手に企画が湧いてきました(笑)。
Judge’s comment: 小田 将輝(おだ まさき)
ARTSTEELという素材をファッションに落とし込む事で、より身近に感じられるアイデアだと思いました。色や形のバリエーションも広げられそうなアイデアなので、デザイナーとのコラボ等、取組の幅を広げる事で、インパクトがより増すアイデアだと感じました。
特別賞
Title
サビチャリ
Creator
nyokki にょっき
Concept
サビチャリは、錆びて廃棄されてしまう自転車を生まれ変わらせるアイデアです。
一般的に錆びてしまった自転車は敬遠され、買い換えられてしまったり、乗り捨てられてしまいます。
しかしサビチャリは、ARTSTEEL の技術によって究極までとことん錆びさせます。
全身にあえて錆び色、錆び模様、錆び素材をまとったサビチャリは、「劣化」ではなく、多様で美しい表情を織り成す「個性」。
ARTSTEELによる錆びは、「錆び」なのに新鮮な表情で、自転車としても素材としても、新たな価値を吹き込むことができます。
サビチャリは、もう一歩先の廃棄自転車のアップサイクル、放置自転車のシェアサイクル資材への転用など、サステナブルな汎用性も生まれます。
Judge’s comment: 藤井 将之(ふじい まさゆき)
この作品は今回の応募作品の中でコンセプトが突出していた気がします。放置自転車の再利用といった社会問題の解決提案はもちろん、自転車を長く使えることでモノに対する愛着が沸くアイデアでもあるように感じました。実現するには解決すべき問題が多くあるものの、自転車の再利用のみならず、新車でもこういった仕上げがあったら良い気がします。
車の世界でも、錆びたビンテージカーに「エンスージスト」と呼ばれるコアなファンがいるように、自転車においてもこういったモノの世界観がライフスタイルの一つになるのではないでしょうか。
Judge’s comment: 玉井 美由紀氏(たまい みゆき)
社会問題の解決をテーマにしたユニークなアイデアで、審査の中でも様々な視点で議論されました。もし、放置された自転車がこんな風に生まれ変わったら素敵だなと思いますし、通常はサビた自転車=劣化、そしてただ捨てられるという運命なのですが、それがもし、かっこいいものに生まれ変わったら、また大切にできるのではないか?そしてその自転車を手にしたときの嬉しかった気持ちを思い出せるのではないか?とさえ思います。発想やアイデアは高い評価を得たのですが、仕組みの点ではまだ難しい部分もあり今回は特別賞となりましたが、いつか実現してほしいと思います。
オーディエンス賞
一般投票で最も多くの投票を獲得した作品
Title
sparsely
Creator
yaro/.
Concept
錆の色彩、表裏異なる錆塗装を施すことができる技術に着目し、扉の開閉によってARTSTEELの仕上げが変わり、表情を変化させる棚です。
扉は90度の角度で開閉し前後に開口部を設けることで障子や間仕切りのような効果も生み、従来の壁面に使われるような棚にはない使い方を想像することで家具と使い手という関係に変化をつけることで、より永く生活に寄り添えるモノを目指しました。
Judges
株式会社FEEL GOOD CREATION 代表取締役/ CMF® デザイナー
玉井 美由紀
株式会社本田技術研究所四輪デザイン室でデザイナーとして数々の車のカラーマテリアル開発に携わるキャリアを経て、2007 年に日本で初めて、CMF® を専門としたデザイン事務所として株式会社FEEL GOOD CREATION を設立。“五感を響かせる感性”をテーマに、日本で初めてCMF® 専門のデザイン事務所を設立。現在では、プロダクトブランドから工業デザインまで幅広い産業分野を手がけ、コンセプトメイキングからプロダクトアウトまでトータルでデザインすることで新たなる創造価値のフィールドを開拓している。デザイン業務のほか、CMF® の普及や日本のモノづくりの活性化に貢献。2016 年から2018 年のグッドデザイン賞の審査員を務める。
編集者
柴田 隆寛
1974年生まれ。ぶんか社『Asayan』、講談社『HUGE』の編集者を経て、マガジン ハウス『アンドプレミアム』のエグゼクティブディレクターに就任。創刊から約3年半 にわたり同職を務める。2015年に編集事務所「Kichi」を設立。紙・ウェブ・広告・ イベントのディレクションなど、ジャンルやメディアに縛られることなくシームレスに 活動を展開中。2018年には、自由な表現の広場を目指して、アートとカルチャーに特 化したブックレーベル「アカツキプレス」をオークラ出版内に設立。北海道・十勝「メ ムアースホテル」のプロジェクトメンバーとしても活動している。
(株)三越伊勢丹 新宿ライフデザイン営業部 インテリア&パーク マーチャンダイザー
小田 将輝
2010年(株)三越伊勢丹入社。
入社後、伊勢丹新宿店、日本橋三越本店、銀座三越の基幹三店舗を中心に、インテリア、食器、タオル等、リビング領域の販売・商品担当を経験。現在は、伊勢丹新宿店のインテリア、プロモーションスペースのマーチャンダイザー(バイヤー)として、国内外のブランド、クリエーターと協業し、商品・プロモーション企画を行う。
株式会社藤井環境デザイン, ( 株式会社FRONT 新規事業担当責任者)
藤井 将之
1972年横浜市生まれ。千葉大学工業意匠学科卒業。公共家具メーカー在籍時に開発室長、事業推進室長を歴任し製品開発や新規事業開発に携わる。2013年に独立。まちづくり、空間デザイン、サイン計画、製品開発等を手掛ける。羽田空港第二ビルファニチャー計画、三井アウトレット台湾林口サイン計画、箱根ホテルはなをりサイン計画、ユニ・チャームグローバルサインほか。Good Design賞等受賞多数。京都造形藝術大学、東洋美術学校非常勤講師。現在、株式会社フロントにて新規事業開発を担当。