[4/16(土)-18(月) 開催]　Materials in Progress / ４人のデザイナーによる、素材をテーマにした研究成果の展示 – 京都工芸繊維大学 岡田栄造研究室作品展示会

＜「Materials in Progress」とは＞

4名のデザイナーが「素材」をテーマに取り組んだ研究成果を展示します。吹き付けて作る和紙で成形されたテディベアや、テーブルの表面に施された繊細な「滲み」、部分的に伸縮性を持つ木の棚、積層造形による多様な表情を持つ器など。素材に隠された可能性を見出し、新たな機能と表現を生み出す試みにご注目ください。

＜開催概要＞

会場　MTRL KYOTO（京都市下京区本塩竈町554）
会期　2016年4月16日（土）- 4月18日（月）
開館時間　11:00 – 19:00
レセプション　2016年4月16日（土） 18:00 – 20:00
ディレクター　岡田栄造
参加デザイナー　中谷仁美 / 津田井美香 / 石河泰治朗 / 寺井俊裕
協力　京都工芸繊維大学 KYOTO Design Lab / NHVコーポレーション
URL: http://www.materialsinprogress.com

＜展示について＞

津田井美香、中谷仁美、石河泰治朗、寺井俊裕によるグループ展「マテリアルズ・イン・プログレス」を開催いたします。

4名はこの春、京都工芸繊維大学を修了及び卒業しました。本展の作品は４名が修士研究、卒業研究の中で制作したものです。共通して素材とその加工法に着目した研究であり、それぞれに和紙、アクリル、シリコン、木材を用いてこれまでにない機能と造形、表現を追求しています。

津田井美香は、近年開発された「吹き付け和紙」の可能性を追求しています。和紙を塗料のように吹き付けて作る技術を習得した上でその特徴をいくつかに分類し、それらを組み合わせることで、和紙の新たな立体成形手法を開発しました。

中谷仁美の研究は現象としての「滲み」を考察することから始まりました。「滲み」を「毛細管現象によって 液体が広がっていくさま」と定義した中谷は、適度に制御された滲みを生み出すために、微細な溝で描かれたグラフィカルなパターンに染料を流し込む方法を開発しました。

石河泰治朗が取り組んだのは、一つの素材の中に硬さと柔らかさ（伸縮）の両方の性質を、的確に作り出すことです。熱で素材を切るレーザー加工技術に着目した石河は、耐熱性が高く柔軟な素材と低く硬い素材を重ねた板の表面を平面充填形に切断することで部分的に伸縮性を持たせることに成功しました。

寺井俊裕の研究は、積層造形の可能性に関するものです。デジタル加工機の普及により簡易的なモデル制作手法として多用されている積層造形そのものに造形的な可能性を見出した寺井は、3Dモデルの切断方向を変化させて積層面を作ることで、同一のモデルから印象の異なる造形物を作り出していきます。

4名の研究の成果を、本展では研究の過程でつくられた数々の試作と合わせて展示いたします。新しい素材が生まれつつある、その最初の過程をぜひご覧ください。

岡田栄造（京都工芸繊維大学大学院 准教授）

企画：京都工芸繊維大学

協力：ロフトワーク京都