KYOTO
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Material Meetup KYOTO vol.17「それで固めるって本当にサステナブル? 明日からの接着テクノロジー」
サステナブルを謳う素材でも、使う接着剤がリサイクルできなければ循環を実現できません。循環する「非石油系接着剤」が必要です。機能とコストで石油系に劣る非石油系接着技術が使われるシーンを通じて、循環型社会を実現するために私たちは何ができるのか、素材を中心にした視点から考えます。
新型コロナウィルス感染症拡大防止の観点から、ご参加に際しては下記をお願いしております。
ご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします。
- マスクをご着用のうえご参加ください。
- ご来館時、館内洗面所での手洗いをお願いいたします。
- 体調がすぐれない場合は参加をご遠慮ください。
- 政府および京都府・京都市から、店舗営業や展示企画について中止の要請を受けた場合、開催を中止する場合があります。
ABOUT イベント内容
vol.17 テーマ:「それで固めるって本当にサステナブル?明日からの接着テクノロジー」
今回のMaterial Meetup KYOTOのテーマは「非石油系接着技術」。
近年、端材を接着剤で固めたサステナブルを訴求する材料の発表を多く聞きます。しかし一般的な石油系接着剤は分解できず使用は一度きり。エコシステムレベルで循環するためには「非石油系接着剤」が必要です。
漆のように、古くから存在する接着剤は非石油系でした。しかし高度成長期以降、機能とコストに優れる石油系接着剤が合理的とされ、非石油系が使われる場面はほとんどありません。しかし価値観が変わりつつある現代の視点においても本当に合理的でしょうか?
非石油系接着技術が使われるシーンを通じて、循環型社会を実現するために私たちは何ができるのか、素材を中心にした視点から考えます。
8月18日当日は、多彩なゲストによるプレゼンテーションを行うとともに、交流・ネットワーキングの時間も設けております。
素材を扱う当事者から直接話を聞き、また現物を目にすることができる貴重な機会になります。
お忙しい中とは存じますが、ぜひご参加くださいませ。
こんな方におすすめ:
- 素材・材料に関わる研究開発・商品開発担当者
- 商流が長く売り先とエンドユーザーが異なるBtoBメーカーにおける商品企画・事業企画担当者
- 自治体における地域素材に関わる産業振興担当者、街づくりや建築関係者
- サステナブルな接着や素材に興味のあるデザイナー、建築家や設計士、デベロッパー、ホテル経営者の方
■ 素材メーカー・販売店さんからの持ち込み大歓迎!!
会場にあなたの素材現物を設置いただき、ミートアップに参加される方達に紹介していただくことができます。ご希望の方は、 kyoto.mtrl@loftwork.com までメールにてご連絡ください。
「クリエイターに素材を知ってほしい」「面白い技術だけど、どう展開していくかまだ未知数」…など。MTRLのミートアップでは、過去にそんな素材や技術とクリエイター、異業種のメーカーの出会いから新たなプロジェクトのきっかけが生まれてきています。
Material Meetup とは
Material Meetup は、「素材」をテーマに、ものづくりに携わるメーカー、職人、クリエイターが集まるミートアップ。
- 新しい領域でのニーズや可能性を探している、「素材を開発する」人
- オンリーワンの加工技術をもつ、「素材を加工する」人
- 持続可能な社会を目指して、「素材を研究する」人
- 機能や質感、意匠性など、複合的なデザインを行ううえで様々なマテリアルを求めている、「素材からデザインする」人
…そんな人々が「デザインとテクノロジー」そして「社会とマテリアル」の観点から、業界の垣根を超えてオープンに交流し、新たなプロジェクトの発火点をつくりだす機会を継続的に開催しています。
カタログスペックだけではわからない素材の特性や魅力を知り、その素材が活用されうる新たな場面(シーン)を皆で考える。「素材」を核に、領域横断のコラボレーションやプロジェクトの種が同時多発する場。それが Material Meetup です。
2018年のスタート以降、東京・京都の各拠点ごとに、それぞれ異なるテーマを設け継続開催しています。
■ Material Meetup 過去開催情報:https://mtrl.com/projects/material-meetup
THEME テーマ
山中油店 淺原孝
約200年前の創業時は、灯明の油がメイン商品。油断大敵という言葉もあるくらい、庶民の夜のあかりに油は欠かせませんでした。
そんな暮らしの根本に関わり続けてきた山中油店だからこそ、現代人の変化を感じると言います。
近年居心地の良い空間を求め、石油系のペンキをやめ、天然油に切り替えるお客様が増えてきたそうです。山中油店で扱うのは、木造建築の仕上げ塗装に使用する天然硬化油。えごまや桐の油にベンガラや柿渋を混ぜていて、空気に触れると硬化します。
高機能化を追い求めた石油系ペンキに削ぎ落とされてしまった、天然油独自の価値に着目されています。
HALVOホールディングス 永原一佳
HALVOホールディングスの本業は水浄化。創業の地、鹿児島で厄介者にされていた火山灰を活用し、濁った水を浄化する技術を開発したのです。
20億人とも言われる世界中の安全な水を飲めない人を救いたい、思いは広がりました。
もっと何とかできないか、そう考える中で産まれたのが、この「ZEROカーボNソイル」。
原材料は火山灰と海水由来のにがりと土砂だけ。水をかけるだけでCO2を吸収しながら硬化し、きれいな舗装になります。
舗装はナチュラルな土色で、アスファルトのようなヒートアイランド現象の心配もありません。
しかも終わったら砕くと土に戻ります。一石三鳥にもなる素材です。
素材デザイナー 村上 結輝
村上さんは、身近な廃材から作られた美しい素材を作り出すデザイナー。ごみとか消費とかの意味を問いかけます。
代表作のひとつ、カフェオレベースは、コーヒーカスと牛乳から作られます。好きなコーヒーを淹れるなかで、買ってきたコーヒーもお湯を注ぐとごみになってしまうことに気づき、廃棄される牛乳を使って固めることで美しい素材に生まれ変わらせました。もちろん使い終わると土に還ります。
PROGRAM プログラム
19:00 | Introduction, FabCafe Kyoto / MTRL 紹介 |
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19:10 | Session1 「建材用あぶら 独自の価値と未来への可能性」 |
19:25 | Session2 「ZEROカーボNソイル 環境を良くする素材の開発」 |
19:40 | Session3 「天然原料で固める素材のデザイン」 |
19:55 | 休憩 / 転換 |
20:00 | Cross Talk |
20:30 | ネットワーキング |
21:00 | 終了 |
SPEAKER 登壇者
株式会社山中油店, 代表取締役社長
淺原 孝
1982年トヨタ自動車入社 海外部門にて海外サービスネットワーク構築業務に携わる。
アメリカ、ベルギーに駐在し、ディーラー経営コンサルティング担当。
2000年に、創業200年の油の専門店「山中油店」に入社。経営の近代化に着手。経理、財務のシステム化、不動産管理システム開発他。また、当時、まだ日本では注目されていなかった最高品質のオリーブオイルをもとめ、ヨーロッパ各地を調査し、イタリアからの直輸入を決定、開始。また、古来より伝わる建物に塗る油を、シックハウスなどの心配のない自然な塗装剤として現代に広める活動も推進中。
株式会社HALVOホールディングス, 代表取締役社長兼COO
永原 一佳
当社は、1986年鹿児島県旧加世田市にて塗装防水業として創業し、自社の塗料排水解決のため、鹿児島県の火山灰シラスを用いて、凝集剤の研究開発を行いました。現在は、『世界中のすべての人に安全な水を』テーマに活動をしております。
2020年には、長年「水処理事業」と「造園緑化事業」にかかわってきたグリーン&ウォーター株式会社をグループ企業に加え、新たな環境事業を展開しております。この度、海水から抽出した安全なにがり成分(マグネシウム)を活用したCO2を吸着固定せる土系舗装材「ZEROカーボNソイル」とサスティナブルな接着材「環強マグネシア」を開発しました。
株式会社On-Co, 素材デザイナー, 上回転研究所 所長
村上 結輝
1998年4月8日生まれ 愛知県在住
コロナ禍を機に大量生産大量消費の中で暮らしていた自分の生活を見直すようになり芸術大学の卒業制作でバナナ皮からレザー素材を開発。卒業後も廃材を活用した素材開発や資材本来の価値を活かしたプロダクトデザインに注力。
2021年にはコーヒーかすと牛乳から作る「カフェオレベース」、2022年には廃棄石膏を利活用した「resecco」などの新素材をリリース。
身近な廃材を美しい素材に生まれ変わらせることで、アップサイクルの考え方や可能性を感じてもらい、社会課題を「自分ごと化」するきっかけを創出している。
2022年に設立したアップサイクル開発拠点「上回転研究所」では所長を務める。
モデレーター
株式会社ロフトワーク FabCafe Kyoto ブランドマネージャー
木下 浩佑
京都府立大学福祉社会学部福祉社会学科卒業後、カフェ「neutron」およびアートギャラリー「neutron tokyo」のマネージャー職、廃校活用施設「IID 世田谷ものづくり学校」の企画職を経て、2015年ロフトワーク入社。素材を起点にものづくり企業の共創とイノベーションを支援する「MTRL(マテリアル)」と、テクノロジーとクリエイションをキーワードにクリエイター・研究者・企業など多様な人々が集うコミュニティハブ「FabCafe Kyoto」に立ち上げから参画。ワークショップ運営やトークのモデレーション、展示企画のプロデュースなどを通じて「化学反応が起きる場づくり」「異分野の物事を接続させるコンテクスト設計」を実践中。社会福祉士。2023年、京都精華大学メディア表現学部 非常勤講師に就任。
企画・司会
株式会社ロフトワーク, FabCafe Kyoto / MTRL
田中 裕也
奈良県出身。大学では化学を専攻。材料は先端機能だけでなく、見たり触れたりすることで暮らしを良くできる存在ではないかと考えてメーカーに就職、キッチン天板などで使われる人造大理石材料の開発業務に従事。つくり手の思いに共感したり好きになった素材を長く使い続けたりするような、素材と人の間にもっと愛がある関係を築きたいとの思いが溢れ、2022年ロフトワークに入社。
好きなことは自然とか山、そしてつくる人の話を聞くこと。
OUTLINE 概要
開催日 | 2022/08/18(木) 19:00–21:00 (開場 18:30) |
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場 所 |
FabCafe Kyoto / オンライン同時開催 ▼現地会場へのアクセス情報 FabCafe Kyoto(〒600-8119 京都府京都市下京区本塩竈町554) ・電車でのアクセス JR京都駅から徒歩20分 京都市営地下鉄烏丸線五条駅から徒歩10分 阪急電鉄京都線河原町駅から徒歩15分 京阪電鉄清水五条駅から徒歩5分 ・バスでのアクセス 京都駅から4・17・205号系統 五条河原町下車徒歩3分 ※駐車場はありません。近隣の施設をご利用ください。 |
参加費 | 1,000円 (1drink付、領収書発行可能) / オンライン視聴のみの場合無料 |
定 員 | 30名 |