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光を反射し虹色にきらめくメタリック顔料クロマシャイン®︎、ミラノ・デザインウィークへ初出展

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こんにちは。MTRLのプロデューサー井田です。

毎年4月にイタリアのミラノで開催される国際家具見本市「ミラノ・サローネ国際家具見本市」。それと同時期に「ミラノ・デザインウィーク」と称して、ミラノ市内各所でさまざまな企業やデザイナーによる展示が行われ、世界中からクリエイターが集まります。
東洋アルミニウム株式会社は、ミラノ・デザインウィークの中でももっとも大きな会場の一つSuperstudio Piùで開催されたMaterial Village 2018に、メタリック顔料「クロマシャイン®︎」をPRするためにブースを出展し、MTRL(ロフトワーク)はその企画・設計・制作を手がけました。

toyal02コンテナブース内に、クロマシャイン®︎を様々な幅のストライプ状に塗った総長30mにおよぶ暖簾状のファブリックを張り巡らせた

 

toyal03ブース内を人が行き交うことでファブリックが揺れ、光の干渉による色の変化と優雅なメタリックカラーが体感できる

 

クロマシャイン®︎とは、フレーク状のアルミニウムを基材に、その表層をシリカで多い、さらに銀でメッキした顔料です。銀メッキ層とアルミニウム表面の反射光の光路差により強い干渉色が得られ、色素顔料を含んでいないにもかかわらず鮮やかに発色し、反射光による輝きを放ちます。


クロマシャイン®︎は全10色。色素顔料を含んでいないにも関わらず、コーティングとメッキの厚さの違いにより多様な色を生み出している

 

この干渉色の美しさを引き出し、ブースを訪れた人たちに色の移ろいを体感してもらうため、建築家の古市淑乃氏とMTRLは、表現方法だけでなく顔料の塗り方までを考案しました。

クロマシャイン®︎の特徴はその干渉色の美しさですが、最も惹かれたのは、その色が光の波長色そのものである、というところでした。この色に囲われ、色の移り変わりを眺めることで、光の色を体感するような展示ができるのではないかと考えました。

クロマシャイン®︎は顔料なので塗装や印刷などの多様な可能性が考えられましたが、サンプルなどを見ているとどうしても動かして干渉色を眺めたくなってしまう感覚がありました。そこで、布に定着させることで、同一平面でありながら布の揺らぎ方によって多様な色に変化する様子が見えるほか、暖簾のように人がくぐり抜けながら鑑賞する空間構成とすることで、鑑賞者がクロマシャイン®︎に触れ、動かすことを誘導し、よりリアルに光の色を体感できるように設計しました。
建築家 古市淑乃氏(古市淑乃建築事務所)

toyal_milan2018_5-80左:古市淑乃氏。アルミニウムのフレークが均一で平滑に並ぶ状態が最も干渉色を表現できる、また樹脂などと混ぜると色が濁ってしまうため、パウダーそのものを粘着面に定着させたテープを布に接着する方法を採用した

ミラノの太陽光の下で見るクロマシャイン®︎の輝きは、事前に想像していた以上に美しく、多くの人たちを引き付ける、とてもよい展示ブースになりました。
会期中は朝から晩までたくさんの人が訪れてくれました。クローズ5分前でも続々と人が入ってきてくれて休む暇もなく、うれしい悲鳴でしたね。
日本ではターゲットにする業界を定めて製品を売り込みに行きますが、ミラノでは、日頃はなかなか会えないような業界のデザイナーとの接点がたくさんできました。中には、展示していたファブリックを事務所に飾りたいから送ってくれないかと言ってくるデザイナーがいたり。このような国際的な展示会に出ると自分たちの考えを超える意外性のある人やアイディアに出会え、可能性が広がることが体感できました。MTRLさんのデザインが大きく貢献してくれましたので感謝しています。
東洋アルミニウム株式会社 パウダー・ペースト事業本部 鈴木承平氏

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左:鈴木承平氏。5月30日に開催されたFab Meetup Kyotoに鈴木氏が登壇。ミラノで飾られたファブリックもMTRL KYOTOに展示された

 

MTRLは、素材を深く理解し、クリエイターやコミュニティ、他の素材やテクノロジーと掛け合わせることにより、素材の新たな価値を引き出すプロジェクトを進めています。ご興味のある企業やクリエイターの皆様はぜひ一度お問い合わせください。