KYOTO
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Exhibition : “Weaving the Future” work in progress – 「Textiles Summer School 2022」成果発表展
“Weaving the Future” をテーマに、「日本式ジャカード織」および「e-テキスタイル」を主軸に、マテリアルとしてのテキスタイルの新たな可能性を探ってきたプロジェクトの過程とプロトタイプの一部を展示いたします。
- 開催日
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2023/03/17 (金)
2023/03/21 (火)
イベント終了
ABOUT 企画主旨・概要
「日本式ジャカード織」および「e-テキスタイル」を主軸にマテリアルとしてのテキスタイルの新たな可能性を探るプロジェクト「Textiles Summer School 2022」において、国内外の大学から参加した各チームと西陣・丹後の織物事業者のコラボレーションのもと実施されたワークショップの成果発表展を実施いたします。
概要
■ 会 期 : 2023年3月17日(金) – 3月21日(火祝) 11:00-18:00
■ 会 場 : 嵯峨美術大学 附属ギャラリー “アートスペース嵯峨”(アクセス)
■ 観覧無料・予約不要
展示内容
・プロジェクト参加各チームによる、プレゼンテーション(動画・パネル)
・プロジェクト参加各チームと西陣・丹後の織物事業者のコラボレーションのもと制作された、作品プロトタイプやマテリアルサンプル
・西陣・丹後のコラボレーター事業者の技術・ストーリーを紹介する動画
▲ FabCafe Kyoto にて2023年1月に開催された展示のようす
出展者(プロジェクト参加チーム *五十音→アルファベット順)
大阪芸術大学チーム
・チームリーダー:木塚あゆみ(大阪芸術大学 アートサイエンス学科 講師)
・コラボレーター:株式会社もりさん
嵯峨美術大学チーム
・チームリーダー:上田香(嵯峨美術大学 デザイン学科 准教授)
・コラボレーター:桂機業店、株式会社もりさん
滋賀県立大学 藤木チーム
・チームリーダー:藤木庸介(滋賀県立大学 生活デザイン学科 教授)
・コラボレーター:民谷螺鈿株式会社
滋賀県立大学 森下チーム
・チームリーダー:森下あおい(滋賀県立大学 生活デザイン学科 教授)
・コラボレーター:岱﨑織物株式会社
Loughborough University チーム(ラフバラ大学・イギリス)
・チームリーダー:Tincuta HEINZEL
・コラボレーター 京都府織物・機械金属振興センター、臼井織物株式会社
TU Delft チーム(デルフト工科大学・オランダ)
・チームリーダー:Holly McQuillan
・コラボレータ 京都府織物・機械金属振興センター、臼井織物株式会社
UAL [University of the Arts London] チーム (ロンドン芸術大学・イギリス)
・チームリーダー:Caryn Simonson, Claire Anderson
・コラボレーター:桂機業店、株式会社もりさん
Textiles Summer School 2022 について
テキスタイル・サマースクール(TSS)は、国内外のデザイナー、テキスタイルエンジニア、テキスタイルプロデューサー、材料科学者などが参加する、継続的なコラボレーションプロジェクトです。
2022年度は、有志のメンバーによる「TSS組織委員会」が主催となり、どなたでも受講可能な「オンラインレクチャー」と、デザイナーとテキスタイル産業に関わる事業者のコラボレーションによる「ワークショップ」の二部構成で、公益財団法人ポーラ美術振興財団の助成のもと実施されました。
2022年度 テーマ:日本式ジャカード織 / e-テキスタイル
本年度のTSSでは、「日本式ジャカード織」と「e-テキスタイル」を主軸に、マテリアルとしてのテキスタイルの新たな可能性を探ることを目的としています。
全8回となるオンラインレクチャーは、国内外の専門家をゲストとして招き、織り/編み(Weaving)やe-テキスタイルに加えて、サスティナビリティ、ラグジュアリー、マテリアルリサーチ、スペキュラティブデザインなど多様な切り口から立体的に学ぶことのできるプログラムとして構成されました。(>>> TSS2022「オンラインレクチャー」詳細ページ)
ワークショップでは、国内外のデザイナーと、京都の主要なテキスタイル産地である西陣および丹後エリアの事業者がチームを構築し、オンラインツールを活用したコミュニケーションのもと、共創によるプロトタイピングを行ってきました。(>>> TSS2022「ワークショップ」詳細ページ)
▲ ワークショップでは、約3ヶ月にわたって、西陣、丹後の織物事業者の方々と国内外の大学チームによるオンライン/オフラインハイブリッド型のアイデア交換、試作が行われました。これらの画像はリサーチの様子やアイデアスケッチなど、プロトタイプ制作の過程の一部です。
COLLABORATOR コラボレーター(*順不同)
丹後チーム
京都府織物・機械金属振興センター
京都府が運営する研究施設として、丹後の繊維産業の支援と発展を担っている。織機や染色、撚糸の設備があり、試験施設や織物アーカイブも備えている。また、織物用の糸の加工も可能で、八丁撚糸機も備えている。八丁強撚糸 は日本独自の製法で糸を撚り、丹後ちりめんの素材には欠かせないものです。
- 織物の種類:丹後ちりめん、帯地、洋風ジャガードなど多数
- 織り幅:40cm〜130cm
- 経糸の種類:生糸
- その他:デザインをデータ化することが可能
民谷螺鈿株式会社
多くの高級ブランドとのコラボレーションの歴史があり、広い織機も保有している。
- 織りの種類:螺鈿織(テープ状の糸を潰さずに螺鈿を織り込むために考案された織りの技法)
- 織り幅:32cm~97cm
- 縦糸の種類:シルク
- その他:デザインのデータ化は不可
臼井織物株式会社
ポリエステルの白地のちりめん生地で、ちりめん加工の原理である収縮性と強撚糸を利用した実験的な生地も製造。白生地なので、表面へのプリントも可能。
- 生地の種類:ドビー織機で織られた、ちりめん生地
- 織り幅:110cm
- 経糸の種類:ポリエステル
- その他:ジャカード織機は保有していない
西陣チーム
地方行政独立法人 京都市産業技術研究所
繊維産業の総合的な研究・試験・研修などの技術支援を行う産業支援機関。日本式ジャカードを運用するためのデータフォーマット(CGSフォーマット)を作成し、現在も汎用ソフ トを販売している。データの互換性開発など、海外研究機関との連携に適している。
- 織物の種類:金襴(法衣:主に仏教に関連する織物)、帯地、洋風ジャカードなど多数
- 織り幅:任意の幅
- 経糸の種類:絹糸
- その他:デザインをジャカード用にデータ化はできるが、サンプルを織ることは不可
桂機業店
日本式ジャガード織機が使用可能。日本的な織機構造だが、広幅を織ることができる。また、金箔はヘラを使って織っている。手織りの良さを生かし、自動織機では織れないような特殊な緯糸を使った織物を織ることも可能。
- 織物の種類:金襴(法衣:主に仏教に関連する織物)
- 織機の種類:日本式ジャカード手織り機
- 製織タイプ:手織り機のみ
- 織り幅:70cm
- 経糸の種類:絹糸
- その他:デザインをデータ化することは可能
伝統的な金襴の織物を作っている。
綾・繻子などの地に、緯糸に金色の糸やスリットヤーンを使用して柄を織りなすことができる。既存のパターをベースにして新しい柄を作ることも可能である。Pantoneとのカラーマッチングは目視で行っている。最大8色までの緯糸が可能で経糸は白もしくは紺となる。デザイナー用のデザインガイドラインを提供することができる。
- 織り幅:70cm
- 織機の種類:日本式ジャカード織機
- その他:デザインをデータ化することは可能
岱﨑織物株式会社
1929年創業。主に掛け軸などに使われる表装裂地の製造を行っている。表装裂地とは、巻物や掛け軸を仕立てるために使ったり、木の枠に貼って屏風や襖を仕立てるために使う織物のことを指します。西陣織の中でも、約70センチ幅の生地の織物(金襴)の種類に属します。また、クチュール向けの高付加価値生地も生産。主な海外取引先は台湾と中国。
- 織物の種類:金襴(表装裂地:主に掛け軸などに使用)
- 織り幅:約70センチ
- 経糸の種類:絹糸、ベンベルグ
- その他:多品種、少量生産のため、試し織などを迅速に行うことが可能。先染めされた絹のよこ糸を常時保有。
SUPPORT 助成・協力・後援
PROJECT MEMBER プロジェクトメンバー
京都工芸繊維大学 KYOTO Design Lab 特命教授, ロイヤル・カレッジ・オブ・アート特別会員
ジュリア・カセム
インクルーシブデザインの世界的な第一人者であり、また経歴は芸術・デザイン・美術館学・社会活動など多岐にわたる。1984年から1999年までジャパンタイムズのアートコラムニストを務め、企画・設計した視覚障害者のための展覧会で賞を受賞。さらに視覚障がい者が認識的・物理的に美術館の展示品により良くアクセスできるようにするための非営利団体を設立。2000年にロイヤル・カレッジ・オブ・アートで先駆的な「チャレンジ・ワークショップ」プログラムを開始し、プロのデザイナーと障害者や高齢者との包括的な共同デザイン・プロセスを実現。このプログラムは2010年にヴィクトリア・アンド・アルバート博物館で開催された展覧会のテーマとなる。2010年にデザインウィーク誌の「デザイン界に最も影響を与えた50人」に選出される。2014年には京都工芸繊維大学の特命教授に任命され、幅広い学外パートナーと共同研究を行う学際的デザイン・イノベーションの研究拠点であるKYOTO Design Lab(D-Lab)の立ち上げに従事。科学とデザインを融合させたD-Labの2つのプロジェクトは、2016年にDutch Design Awardを受賞し、別のプロジェクトは2019年のCopenhagen Fashion Film FestivalでBest Idea賞を受賞。
[ Photo: Petr Krejc ]
嵯峨美術大学 芸術学部 准教授
上田 香
大手ハウスメーカー、設計事務所勤務の後、テキスタイルデザインを学ぶために渡英。2005年にNottingham Trent大学、2007年にRoyal College of Artsを卒業。帰国後、テキスタイルデザインの面白さを伝えたいと考え、大学での教育と創作活動、学術研究を行っている。2009年より嵯峨美術大学に勤務し、京都ならではの染織工芸の素晴らしさに触れ、伝統染織工芸の研究を開始。2016年には京都工芸繊維大学で博士(学術)を取得し、その後、丹後ちりめんの研究をスタートする。丹後ちりめんの研究でJulia Cassim先生に出会い、テキスタイルサマースクールには2017年より参加。日本の伝統染織工芸の素晴らしさを活かした新しい素材、生地、意匠を世界に発信すべく活動を行っている。
FABLAB北加賀屋
井上 智博
FABLAB北加賀屋にて市民に対してデジタルファブリケーションを教えている。デジタルファブリケーションを利用したものづくり、ことづくりを主な活動領域としており、メイカーズムーブメントを一過性の運動にしないために、それを推進していくような動きを展開している。
https://fablabkitakagaya.org/
YouFab Global Creative Awards 2015 FINALISTS
株式会社ロフトワーク FabCafe Kyoto ブランドマネージャー
木下 浩佑
京都府立大学福祉社会学部福祉社会学科卒業後、カフェ「neutron」およびアートギャラリー「neutron tokyo」のマネージャー職、廃校活用施設「IID 世田谷ものづくり学校」の企画職を経て、2015年ロフトワーク入社。素材を起点にものづくり企業の共創とイノベーションを支援する「MTRL(マテリアル)」と、テクノロジーとクリエイションをキーワードにクリエイター・研究者・企業など多様な人々が集うコミュニティハブ「FabCafe Kyoto」に立ち上げから参画。ワークショップ運営やトークのモデレーション、展示企画のプロデュースなどを通じて「化学反応が起きる場づくり」「異分野の物事を接続させるコンテクスト設計」を実践中。社会福祉士。2023年、京都精華大学メディア表現学部 非常勤講師に就任。
株式会社ロフトワーク クリエイティブディレクター
飯田 隼矢
半導体メーカーで開発職として8年間働いた後、アートとデザインを学ぶために渡英。ロンドンのCentral Saint Martins College of Arts and Design グラフィックデザイン学科を卒業。帰国後、アート・建築・デザインを手掛けるSANDWICHでのグラフィックデザイナーを経て、2018年にロフトワークに入社。
株式会社ロフトワーク, クリエイティブディレクター
加藤 あん
愛知県出身。名古屋芸術大学芸術教養領域卒業。大学では「身体と衣服」をテーマに研究。また、展覧会の企画やキャンパスの改装計画にも携わる。2021年FabCafe Nagoyaでインターンを経験し、クリエイティブの力を体感。様々な分野とクリエイティブによって生み出される新たな価値の遭遇を求め、ロフトワークに入社。
デザインリサーチャー
ハフマン 恵真
2022年京都工芸繊維大学大学院デザイン専攻卒業。在学時代よりデザイン・プロジェクトにおける通訳と翻訳を行う。現在、アムステルダムのアートセンター「Mediamatic」でワークショップマネージャーとしてワークショップの企画・運営をする側、修繕や人間・非人間の関係をテーマにデザイン・リサーチを行う。
OUTLINE 概要
開催日 | 2023/03/17(金) - 2023/03/21(火) 11:00–18:00 |
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場 所 | 嵯峨美術大学 附属ギャラリー “アートスペース嵯峨” |
参加費 | 観覧無料 |