KYOTO

EXHIBITION
イベント終了

『Sense of the Unseen Vol.1 怪談と窒素』

「空気」を読む、聴く、味わう。五感を頼りに、窒素問題を体験する『怪談と窒素』展

「怪談」と「窒素」を題材に、怪談師・サウンドアーティスト・水と蒸留をコンセプトとするカクテルスタンド、異彩な3組のクリエイターと研究者が共創した、3つの作品を展示予定です。(主催:総合地球環境学研究所 Sustai-N-ableプロジェクト / 企画運営:株式会社ロフトワーク / 協力:FabCafe Kyoto)

開催日

2024/09/10 (火)

2024/09/14 (土)

時 間

11:00–19:00

場 所

FabCafe Kyoto (MTRL KYOTO)MAP

参加費

観覧無料

ABOUT

『Sense of the Unseen Vol.1 怪談と窒素』とは

私たちを常に取り囲む空気や水、土、食べ物、衣服まで、あらゆるところに含まれている、けれど目には見えない “unseen”な存在、「窒素」。私たちの生活や地球環境に実は大きな影響を与えています。

Sense of the Unseenでは、「みえないもの」と「窒素」を題材に、《物語》《音》《味覚・嗅覚を刺激する作品》の3つの作品をクリエイターと研究者がともに制作し、展示を行います。

第一弾となる今回は、日常に潜む「違和感」「奇妙さ」という感覚を頼りに、「おそれ(畏れ・怖れ)」を切り口として、これまでそこにいる・在ることに気づかなかった存在を感じ取るような作品を創り出します。

作品を通して、これまで知覚していなかった世界に出会う

普段意識せずに呼吸している空気の8割は窒素です(二個の窒素原子がくっついた窒素ガス)。
私たちはタンパク質やDNAを作るために窒素が欲しいのですが、安定な窒素ガスをいくら吸っても体の一部にはなりません。
代わりに、飲食物からタンパク質などの形で窒素を取り入れます。20世紀はじめに窒素ガスからアンモニアを合成する技術を獲得した人類は、化学肥料を手に入れ、たくさんの作物と家畜を育てられるようになり、食生活が豊かになりました。
しかし、私たちの社会から反応性をもった窒素がたくさん環境に漏れ出し、人や自然の健康を損ねています。陰ながら私たちを支えてくれていた存在に対して欲をかきすぎた結果、しっぺ返しをくらってしまう。そう、まるで怪談のようです。怪談を通じて感覚を研ぎ澄まし、これまで見えていなかった私たちの暮らしと窒素との深い関係に気づくきっかけとなったなら。これが今回のイベントの狙いであり、願いです。

林 健太郎 | 人間文化研究機構 総合地球環境学研究所教授

関連するプロジェクト

▼「Sense of the Unseen」についての発信
本プロジェクトの詳しい取り組みや、窒素問題に関する情報を掲載しています。展示制作の裏側について「Sense of the Unseen AWRDページ」にて順次公開していきます。
Sense of the Unseen AWRDページ

▼これまでの取り組み
ロフトワークは、人類の窒素利用が多様な窒素汚染をもたらすという「窒素問題」の解決に取り組む、地球研の林 健太郎 教授がリーダーを務める「Sustai-N-ableプロジェクト」とタッグを組み、クリエイターを中心に窒素問題の認知拡大を行うプロジェクトを開始しました。
2023年11月から、地球研は同プロジェクトを通じて、窒素問題の認識浸透とその解決を目指しています。ロフトワークの支援のもと、窒素問題のアウトリーチ活動の全体指針(ロードマップ)や、ロードマップや施策アイデアを考案するにあたり、複雑な課題を捉えるアプローチである「システム思考」のフレームワークを用いたワークショップを実施しました。
プロジェクト詳細はこちら

「怪談」と「窒素」を題材とした3つの作品

怪談師・サウンドアーティスト・水と蒸留をコンセプトとするカクテルスタンド、異彩な3組のクリエイターと研究者が共創した、3つの作品を展示予定です。

怪談師の深津さくらさんは、窒素問題の「両立しがたい関係性」から着想を得て、これまでに集めた怪談を「百物語」として展示

サウンドアーティストの佐野風史さんは、目に見えない窒素を測定し振動に変換する「窒素音振変換装置」を制作

水と蒸留をコンセプトとするカクテルスタンド フレくは、人間の欲や豊かさと窒素の関係からインスピレーションを受けた「インセンス(お香)」を開発

※写真は過去の作例です。

COLLABORATOR

おばけ座
深津 さくら

1992年 茨城県出身 兵庫県在住。 2018年より怪談の語り手として活動。怪談最恐戦2023優勝。 単著に『怪談びたり』、『怪談まみれ』。『ユリイカ』『ダ・ヴィンチ』などへの寄稿やカルチャー誌『BRUTUS』にて連載を行う。フジテレビ系列『セブンルール』、日本テレビ系列『スッキリ』に出演。
instagram


佐野 風史

2000年京都府生まれ。慶應義塾大学環境情報学部(x-Music Lab 所属)卒業。サウンドアートや耳/耳介の機能を背景として、音を中心としたインスタレーションやデバイスの制作を行う。単に聴くだけでは想起することができなかった世界や、未知なる聴取の対象となるフィールドを探索することをテーマにしている。
https://fushi-sano.studio.site/


カクテルスタンドフレく

世界初、京都の伏流水をテーマにしたカクテルスタンドを営む三人組。京都の湧き水を使用し、旬のフルーツやハーブのフローラルウォーターを組み合わせ、飲む香水のような独創的なカクテルを展開している。現在は期間限定ポップアップを祇園で実施中。今秋東山五条の京町家にて営業をスタート。
齋藤隆一 (代表:写真中央)田川寛 (写真右) 福田阿寿香 (写真左)
instagram

グラフィックデザイナー
吉川 和弥

1991年生まれ。大阪芸術大学デザイン学科卒業。任天堂株式会社を経て、合同会社自営制作を設立。グラフィックデザインを軸に印刷物・映像を制作している。京都勤務。

KIKA gallery
石井 潤一郎

2004年よりアジアから中東、ヨーロッパの「アートの周縁 / インターローカルな場」を巡りながら20カ国以上で作品を制作・発表。国際展『Larnaca Biennale(キプロス ’23/’21)』『ARTISTERIUM(グルジア ’13/’11)』『Moscow Biennale for Young Art(ロシア ’10)』『TashkentAle(ウズベキスタン ’08/’10)』『ISTANBUL BIENNIAL : Nightcomers(トルコ ’07)』参加他、個展、グループ展多数。

KIKA gallery
梶原 瑞生

1993年大阪府生まれ、京都市在住。2016年、京都造形芸術大学(現京都芸術大学)卒業。2020年、同大学大学院修士課程修了。展覧会『Not so slow, but not so fast.』(2021 / KUNST ARZT / 京都)グループ展『FIERLD WORK』(2020年 / 東京都美術館)など。レジデンス・プログラム『ARCUS project(2022年 / 茨城)『Cité internationale des arts』(2021年 / パリ)など

人間文化研究機構 総合地球環境学研究所教授
林 健太郎

1968年石川県生まれ。北海道大学および東京農工大学出身。博士(農学)。パシフィックコンサルタンツ、産業技術総合研究所、農業環境技術研究所(現・農研機構)を経て現職。生物地球化学や土壌学を基礎としつつ文理問わず幅広く関心を有する。第58次日本南極地域観測隊夏隊隊員、地球研「人・社会・自然をつないでめぐる窒素の持続可能な利用に向けて」(Sustai-N-able)プロジェクトリーダー、国際窒素イニシアティブ東アジアセンター代表、国連環境計画栄養塩類管理グローバルパートナーシップ運営委員。第66回日本土壌肥料学会賞受賞。主な著書は「図説窒素と環境の科学」(朝倉書店)、「薫風のトゥーレ」(幻冬舎)。

PROJECT MEMBER

村上 航

株式会社ロフトワーク クリエイティブディレクター / なはれ

Profile

三輪 彩紀子

株式会社ロフトワーク クリエイティブディレクター

Profile

山田 富久美

株式会社ロフトワーク プロデューサー

Profile

ORGANIZER

主 催  | 総合地球環境学研究所 Sustai-N-ableプロジェクト
企画運営 | 株式会社ロフトワーク
協 力  | FabCafe Kyoto

OUTLINE

開催日 2024/09/10(火) - 2024/09/14(土) 11:00–19:00
場 所 FabCafe Kyoto (MTRL KYOTO)
京都府京都市下京区本塩竈町554

▼電車でのアクセス
JR京都駅から徒歩20分
京都市営地下鉄烏丸線五条駅から徒歩10分
阪急電鉄京都線河原町駅から徒歩15分
京阪電鉄清水五条駅から徒歩5分

▼バスでのアクセス
京都駅から4・17・205号系統 五条河原町下車徒歩3分
※駐車場はありません。近隣の施設をご利用ください。
参加費 観覧無料