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豊かさを考える場所をどうつくる? ユネスコ・ファーストリテイリング/環境省事例から考える対話設計

さまざまな思惑や価値観を超えて共創していくために、「豊かさ」という視点で向き合うことで、領域を超えていくヒントになるのではないでしょうか。ユネスコx ファーストリテイリングのSOOプロジェクトと、環境省の調査事業を紹介し、豊かさに向き合うエコシステムのあり方について、ディスカッションします。

開催日

2025/07/28 (月)

時 間

15:00–17:30

場 所

FabCafe OsakaMAP

定 員

50名

参加費

1000円(ワンドリンク込み)

ロフトワークのサイトにリンクします

ABOUT

ユネスコと環境省の事例から「豊かさ」と向き合う場を考える

観光業や農林水産業、教育、まちづくり。私たちの暮らしや仕事は、自然環境と切っても切れない関係のなかにあります。地域の自然資源や環境をめぐる議論の中で、「豊かさとは何か?」という視点を加えてみると、「産業」や「保全」といった既存の枠を超え、さまざまな立場の人々が知恵や知識を持ち寄りながら、新たなエコシステムを共に描くことができるのではないでしょうか。

本イベントでは、「豊かさ」を多角的に捉え直す2つのプロジェクトをご紹介します。ひとつは、ユネスコとファーストリテイリング社が日本と東南アジアで展開する教育プログラム「Sustaining Our Oceans」。もうひとつは、環境省とロフトワークが取り組む、生物多様性・生物生産性を軸とした新たな評価手法の検討事業です。どちらのプロジェクトにも共通するのは、既存の知見や手法にとらわれず、地域に暮らす人々とともに環境と社会のつながりを見つめ直そうとしている点です。

当日は、各プロジェクトの背景や成果をご紹介するとともに、分野や立場を超えて、対話し、協働する場をいかにデザインできるかについて、登壇者・参加者の皆さんとともにディスカッションします。地域の自然資源を活かした持続可能な事業を模索している方や、社会・環境に開かれた企業活動を志す方にとっても、きっとヒントとなる時間になるはずです。

ユネスコ x ファーストリテイリングの海洋教育プログラム「SOO Project」

ユネスコがファーストリテイリングの支援で推進する「Sustaining Our Oceans(海洋を守る)」プロジェクトは、日本と東南アジアの若者たちに向け、海洋生態系への理解を深め、保全活動に必要な知識とスキルを育む取り組みです。ユネスコの生物圏保存地域(エコパーク)を活用し、生物多様性や持続可能な資源利用を学ぶ「生きた教室」として展開されています。

今回のイベントでは、本プロジェクトの全体像とともに、FabCafe Bangkokがタイ・ラノーン県で取り組んでいる教材開発についてご紹介します。XR/VR技術を活用した没入型の海洋教育プログラムの開発背景やプロセス、教育現場での活用方法、そして今後の展望についてお話しします。

※ なお、FabCafe Bangkokが開発したXRツールは、2025年9月22日(月)〜28日(日)まで、大阪万国博覧会で展示が予定されていますが、本イベントでは、それに先駆けてデモをご覧いただけます。

「SOO Project」

アジア各地の若者たちは、マングローブやサンゴ礁、海岸環境についての理解を深めようとしています。ユネスコの「海洋を守る(Sustaining Our Oceans)」プロジェクトは、彼らの関心に応え、海洋保全に必要な知識とスキルを提供しています。日本と東南アジアの4つのユネスコ生物圏保存地域を舞台に、実践的かつ没入型の学習を通じて、参加者は海洋生態系の重要性を学び、持続可能な保全活動を体験します。これらの地域は「生きた教室」として機能し、生物多様性や資源の持続可能な利用について学ぶ場を提供します。このプロジェクトは、次世代の海洋保全リーダーの育成を目指しており、ユニクロの親会社・ファーストリテイリングによる「JOIN:服のチカラ」キャンペーンの支援により実現しています。

▼SOO Projectの詳細はこちら

「豊かさ」をどう測る? – 環境省×ロフトワークによる、瀬戸内海における評価手法の模索 –

環境省の事業「令和6年度 豊かな海の実現に向けた生物多様性・生物生産性の評価方策検討業務」は、生物多様性だけでも、生物生産性だけでもない、「海の豊かさ」をどのように捉え直し、評価すべきかを検討することを目的に実施された調査事業です。ロフトワークは、本事業において、文献調査や現地調査、有識者会議の業務を担当しました。

本イベントでは、本業務での取り組みや、そこから得られたインサイトを紹介するとともに、それぞれの利害を超えた「豊かさ」という概念を用いた時に、どのような領域の人々が関与しながらエコシステムを作りうるのか、そのためのアクションとはどのようなものなのか、登壇者や参加者とともに議論したいと思います。

環境省「令和6年度 豊かな海の実現に向けた生物多様性・ 生物生産性の評価方策検討業務」について

瀬戸内海では、従来の水質中心の環境管理から、より総合的な「豊かさ」という概念を取り入れた新たな評価が求められています。本プロジェクトでは、文献調査、現地調査、有識者ワーキンググループを通じて、生物の多様性と生産性を捉える新たな評価手法を検討。持続可能な海域管理に向けての基盤づくりとして基礎調査と構想検討を行いました。

▼調査事業のプロジェクト詳細はこちら

こんな方におすすめ

  • 漁業・観光・地域産業において、海との共生を考えている企業・自治体の方
  • 環境や自然資源を活かした地域ビジョンや教育プログラムに関心がある方
  • 自社のパーパスやサステナビリティを地域とのつながりから見直したい方
  • 分野や立場を超えて、環境・教育・まちづくりを語れる場づくりに関心がある方

PROGRAM

15:00-15:10

イントロダクション

15:10-15:25

SOOプロジェクトの取り組みと目的

  • 大安 喜一(ユネスコ・アジア文化センター 教育協力部長)
15:25-15:40

研究者とXR開発チームとの共創から生まれた教育ツール

  • カラヤ・コヴィドビシット(FabCafeバンコク 共同創設者)
15:40-16:00

質疑応答

16:00-16:05

休憩

16:05-16:20

環境省が向き合う「豊かさ」とは

  • 森川 政人(環境省 水・大気環境局海洋環境課海域環境管理室 室長補佐)
16:20-16:35

瀬戸内海で行われた、豊かな海の実現に向けた評価方策検討業務について

  • 片平 圭(ロフトワーククリエイティブディレクター)
16:35-17:00

質疑応答・ディスカッション

  • 大安 喜一(ユネスコ・アジア文化センター 教育協力部長)
  • 森川 政人(環境省 水・大気環境局海洋環境課海域環境管理室 室長補佐)
  • 浦野 奈美(株式会社ロフトワーク SPCSオーガナイザー)
17:00-17:10

クロージング

  • 浅見 和彦(株式会社ロフトワーク SPCSプロデューサー)
17:10-17:30

名刺交換会

INFORMATION

開催日 2025/07/28(月) 15:00–17:30
場 所 FabCafe Osaka
〒530-0041大阪府大阪市北区天神橋2丁目2−4

● 電車でのアクセス
JR東西線「大阪天満宮駅」から徒歩5分
Osaka Metro谷町線/堺筋線「南森町駅」から徒歩5分
京阪本線/Osaka Metro堺筋線「北浜駅」から徒歩10分

● バスでのアクセス
大阪駅から36号系統(大阪シティバス)「南森町(西)」下車徒歩3分

※駐車場はありません。近隣の施設をご利用ください。
参加費 1000円(ワンドリンク込み)
定 員 50名
開催日
2025年7月28日(月曜)15:00-17:30 JST
参加費

無料

定員

50名

会場

FabCafe Osaka
大阪府大阪市北区天神橋2丁目2−4(地図

主催

株式会社ロフトワーク

ご注意
  • 参加者の皆さんの写真やプログラムの内容は後日レポートなどに掲載されます
  • プログラムは、予告なく変更される場合があります。
  • 応募者多数の場合は抽選になる場合があります。

ロフトワークのサイトにリンクします

GUEST

ユネスコ・アジア文化センター, 教育協力部長
大安 喜一

ユネスコ・バンコク事務所識字教育担当官、ユネスコ・ダッカ事務所教育担当官、岡山大学グローバル・パートナーズ教授を経て、現在ユネスコ・アジア文化センター教育協力部長、東京医療保健大学特任教授。ユネスコでは、万人のための教育(EFA)および持続可能な開発のための教育(ESD)関係の事業を担当。主な研究テーマは識字教育、社会教育、生涯学習、ESD。博士(人間科学)。

環境省, 水・大気環境局海洋環境課海域環境管理室, 室長補佐
森川 政人

環境省水・大気環境局海洋環境課海域環境管理室・室長補佐(併任:水・大気環境局環境創造室長)。「戦略的「令和の里海づくり」基盤構築支援事業」など、瀬戸内海をはじめとした全国の沿岸域における”里海づくり”の推進に取り組む。2009 年 4 月に自然系技官として環境省入省。本省では外来生物対策、国立公園利用推進、福島第一原発の放射性物質対策等を担う。現場では霧島錦江湾国立公園や中部山岳国立公園の管理を担当。2023年8月より現職。さらに、2025年7月より環境創造室長として、水辺をはじめとした良好な環境の創出による地域活性化等に取り組む。

FabCafe Bangkok, Founder
Kalaya Kovidisith

2014年からFabCafe Bangkokの共同創設者であり、2004年からはThammasat大学建築計画学部の講師を務める。FabCafeのネットワークを使って、様々なステークホルダーで構成された学際的なチームを集めて、新しいソリューションを見つけることを得意としており、MITにおいて建築学とデザイン・計算学の修士号を取得。

株式会社ロフトワーク, MTRL クリエイティブディレクター
片平 圭

美術大学でファッションデザインを学んだ後、アパレルのコレクションブランドで企画生産管理、店舗運営に従事。
その後、素材やものづくりの新たな可能性を探求するためロフトワーク/MTRLに入社。
製造業や素材メーカーの新規事業開発やブランディングの支援、共創コミュニティの企画運営、またXRなどの先端技術に関するコンテンツ制作やアワード運営など様々なプロジェクトに携わる。2023年度より株式会社博展と共に、資源循環に課題を持つ素材や未利用資源を題材に、デザインのアプローチで「素材起点のものづくり」を推進する素材大喜利集団「CURARI-ZA(くらり座)」を立ち上げる。

株式会社ロフトワーク, SPCSオーガナイザー
浦野 奈美

大学卒業後ロフトワークに入社。渋谷オフィスにてビジネスイベントの企画運営や日本企業と海外大学の産学連携のコミュニティ運営を担当。2020年にはFabCafe Kyotoのレジデンスプログラム「COUNTERPOINT」の立ち上げと運営に従事。また、FabCafeのグローバルネットワークの活動の言語化や他拠点連携の土壌醸成にも奔走中。2022年からは、自然のアンコントローラビリティを探究するコミュニティ「SPCS」の立ち上げと企画運営を担当。大学で学んだ社会保障やデンマークのフォルケホイスコーレ、イスラエルのキブツでの生活、そして、かつて料理家の森本桃世さんと共催していた発酵部活などが原体験となって、場の中にカオスをつくることに興味がある。

株式会社ロフトワーク, SPCSプロデューサー
浅見 和彦

2014年、株式会社ロフトワークにプロデューサーとして入社。ブランディング、サービスデザイン、街づくりなど、多様なプロジェクトに携わる。2018年に、STYLY・PARCO・ロフトワークによるXR領域での世界同時多発的な実験的プロジェクト「NEWVIEW Project」を担当。これを契機に、2021年に株式会社ロフトワークを退職し、株式会社STYLYに入社。STYLYでは「NEWVIEW」の総合プロデュースをはじめ、XR技術を活用して企業や地方自治体との事業創出支援などを手がける。
現在は、ロフトワークが推進するSPCSプロジェクトのプロデュースを担当するほか、クリエイティブ関連企業にて編集長、自治体と連携したXRプロジェクトを担当するなど活動の幅を広げている。
過去には、東京都および東京都歴史文化財団によるシビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]では、アーティストフェローとして都市回遊型展覧会「AUGMENTED SITUATION D」を開催。奈良県の芸術祭「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」では、エリアディレクターを務めた。
最近の関心テーマは、 リアルとバーチャル / 人間と人間以外 / 人口と自然 / 夢と現実など、対立する概念のあいだに存在するグラデーションや曖昧さといった「境界」。